|
前田さんの自臭症の体験談 1-3
|
ここでは、前田さんの臭いの悩みの体験談を紹介しています。
|
- 中学生時代
- 高校生時代
- 大学生時代
- 社会人時代
- おまけ
|
1-3 臭いの悩みで失われたもの
|
臭いで悩むようになってから、今までの価値観や生活が一変しました。
|
人との会話が恐くなる そこにいることだけが恐くなる
|
相手が自分を避けるだけではなく、自分から相手を避けるようになりました。
みんなで何かするときに一人でいる、今まで味わったことがないような孤独な時間が増えました。
|
今まで仲が良かった友達がどんどん離れていきましたが、
一人でいる悲しさより、一人でいることの安心感のほうが強かったです。
|
|
相手に気を使って距離を取ることが、逆に悪い印象も与えていたと思います。
そして、人と会話すること自体が無くなってしまいました。
|
周りの反応が気になりだす
|
臭いの指摘以外にも、鼻すすり、咳、くしゃみ等の反応が気になるようになります。
|
|
周りのこれらの反応がすべて自分が原因だと思うようになります。
数十メートル先の人が鼻を抑えたり、家の外から聞こえてくる咳やくしゃみにも恐怖するようになります。
|
朝が恐い 寝るのが恐い
|
当時、家で独りで音楽を聴いているときだけが唯一のリラックスできる時間でした。しかし毎日寝る時間になると恐怖が襲ってきました。
「寝たくない・・・」
「寝たらまた朝になってしまう・・・」
「朝になったらまた学校に行かないといけない・・・」
「学校に行ったらまたつらい思いをしないといけない・・・」
そんなことがずっと脳裏をグルグル回っていて、つらさと恐怖で毎日ベッドの上で泣いてました。
|
|
後で知りましたが、泣く行為ってストレス発散には最適みたいです。つらいときはどんどん泣きましょう!
|
自殺を決意する
|
臭いで悩んだ最初のころは、なんだかんだでそのうち治る、時間が解決してくれると思っていましたが
1年以上経っても治らないことに対して
「もしかして、一生、治らないのでは?」
「一生、臭いままなのでは?」
という漠然とした恐怖に襲われるようになりました。
そして、中学2年の冬休みに、
「この休み中に治らなかったらもう死のう。もうこれ以上苦しむのはやめよう。」
と考えました。
当然、休み中に何かが変わることもなく、休み最後の日に首を吊ることに決めました。
方法はベルトを8の字にして箪笥と天井の間の耐震棒に絡めて使う方法です。
|
このときの気持ちは、死への恐怖はまったく無くて、やっとこの地獄が終わるという安堵感が大きかったです。
死後の世界とかは信じていなかったけど、この後に地獄が待っていたとしても今生きる地獄よりもマシだろうという感じでした。
|
しかし、この自殺は失敗に終わります。
|
|
問題は縄代わりに使ったベルトでした。
学校の制服に使っているベルトが、穴が無くて何処にでも金具がさせる伸縮性があるタイプのものを利用していました。
この伸縮性のせいで、体重を支え切れずにするっと落ちて体を強打してしまいました。
|
全身に激痛が走り、このとき初めて死への恐怖を感じました。
この出来事以降は死ぬのも怖くなって自殺は考えないようになります。
もしこのときに皮の硬いベルトを使ってたら、もう私はこの世に存在していなかったと思います。
|
逃げることへの恐怖
|
死ぬ選択肢も無くなり、臭いに悩みながらつらい日々を送りながらも、学校、塾はなるべく休まずに通っていました。
|
|
休んだら次の日に居場所がなくなっているんじゃないか?
いないほうがよかった、今日も休んで欲しかったって言われるのが怖いという気持ちがありました。
|
そして、一度道を外れてしまったらこの症状がある以上は二度と元の道には戻ってこれないという恐怖もありました。
あとは、将来的に臭いが治ったときのためになるべく道を外れないようにしたいという思いもあったと思います。
|
|