ここでは口臭の予防と対策方法について説明します。
口臭の原因にて説明した、口腔内や内臓に医学的な問題があるときに発生する「病的口臭」と
普通誰にも発生する可能性がある「生理的口臭」について、それぞれ予防と対策方法を説明します。
病的口臭の予防と対策
病的口臭の治療は、各種専門医による治療を行うことが必要になります。
■虫歯・歯周病・歯槽膿漏・歯石が原因の口臭
虫歯・歯周病・歯槽膿漏がある場合は歯科医での治療を行います。
最近は、10歳以上の子どもの2人に1人が歯周病の初期症状である歯肉炎があると言われており、子供の歯周病にも注意が必要です。
歯石とは歯についたプラーク(歯垢)が石灰化したものです。歯石はいくら丁寧に歯を磨いていても、歯に付着してしまいます。
そのため、歯科医での定期的な治療が皆必要になります。
■舌苔が原因の口臭
健康な人の舌は白い舌苔が薄く付着しています。この状態では口臭は発生しません。
白い舌苔が分厚く付着している場合や、黄色い舌苔が付着している場合は虫歯や歯周病がある可能性があるため、
歯科医での治療が必要になります。また、歯ブラシなどで舌を掃除して舌苔がまったくない状態は、
キズや熱感があり口臭が発生しやすくなります。舌は専用のブラシを使うなどキズをつけないようにしましょう。
また、以下の舌の運動をすることをお勧めします。
[ 舌の運動 ]
口の中で舌をグルグル回します。
右上の奥歯→右下の奥歯→左下の奥歯→左上の奥歯と舌先で触れていきます。
これを20回、逆周りを20回くらい、ちょっと舌が疲れるまで行います。
これを毎日行うことで舌苔が付きにくいようになります。
■膿栓が原因の口臭
膿栓(のうせん)とは喉の奥にある口蓋扁桃(扁桃腺)に溜まった、細菌の死骸である細菌塊や食べ物のカスの集まりのことで、
大きさは米粒大です。
これ自体は誰にでもできるものですが、これが多量に溜まると口臭の原因になる可能性があります。
ネット上には自分で膿栓を取る方法などが個人サイトで紹介されていますが、
これは扁桃腺を傷つける確率が高く、さらに症状を悪化させることがほとんどです。
最近は耳鼻科医で洗浄や吸引をしてくれます。以下の耳鼻科医が膿栓治療で有名です。ご参考にしてください。
笠井耳鼻咽喉科クリニック http://www.linkclub.or.jp/~entkasai/
■内臓疾患が原因の口臭
内臓などに疾患がある場合は、内科医での治療が基本になります。
内臓に原因がある場合は癌などの重篤な疾患の初期症状の可能性もありますので早期治療が必要になります。
口腔内に問題がない場合に常時口臭があるときは、内科医の診断を受けるようにしてください。
生理的口臭の予防と対策
生理的口臭の治療は、いかに新鮮な唾液を出すかが重要になります。
新鮮な唾液が出ているときは口臭は発生しませんが、外因により唾液が出なかったり量が少なくなったときに口臭が発生します。
■起床時の口臭
起きてすぐは誰にでも口臭があります。
寝ている間は口内の動きがなくなり唾液がでなくなります。
睡眠時、口内の最近は増え続け、起きたときには大量の細菌のため口臭が発生します。
起床時の口臭には、就寝前と起床時のブレスケアが重要になります。就寝前と起床時に必ず歯磨きをしましょう。
通常、歯磨きは朝食を食べたあとにしますが、そうすると大量の細菌も朝食と一緒に食べることになってしまいます。
必ず朝食前にブレスケアを行いましょう。
■緊張時の口臭
生活の中で緊張する場面はたくさんあります。特に口臭が気になっている場合は通常の会話でさえ緊張するものです。
緊張時は口腔内の動きが停止し、唾液が出なくなることにより口腔内はドライマウス状態になります。
さらに、口を完全に閉じてしまうことで新鮮な空気も口腔内に入ってきません。
そして、奥歯を噛みしめており、舌は口内の天井部分にくっついた状態になっています。
3分以上、口を密閉状態にすると口腔内にガスが溜まり誰にでも口臭が発生します。
口臭を無くすためには唾液、水分、新鮮な空気が必要です。
緊張時には水分補給をしっかりとり、新鮮な唾液が出る状態にします。
口は閉じずに数ミリ開いた状態にして、舌をリラックスさせます。そのときの舌の位置は前歯の裏に触れる感じになります。
緊張時には口が完全に閉じていないか確認し、舌の位置にも気をつけてください。
■空腹時の口臭
空腹時は新鮮な唾液が出にくくなります。
常に空腹を満たすことは現実的ではありません。
空腹を感じたら水分不足に注意し、水を飲み新鮮な唾液を出すようにしましょう。
お茶やジュースではなく、水を飲みましょう。
■ホルモンバランスの変化による口臭
思春期や女性の生理や妊娠などによるホルモンバランスの変化による口臭が発生しやすくなります。
その際は、新鮮な唾液がでるように、口内状態、水分摂取に注意してください。
■食事が原因の口臭
焼肉やにんにく料理、アルコールの摂取による口臭については、
それ自体を食べないのがいちばんですが、なかなか難しいものです。
これらを食べると血中に臭いの物質が入り、呼気や唾液を解して体外に出てしまいます。
食べてしまったときは、ガムやブレスケアなどの口臭製品を利用しましょう。
これらの臭いは一時的なもので、長期におよぶことはありません。
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