ここではガス漏れ(がすもれ)について説明します。
ガス漏れとは、勝手にオナラが出てしまう症状のことです。
オナラが出ていることに本人が気づかないで出てしまうパターンと
オナラが我慢できずに出てしまうパターンがあります。
オナラが出る際も、お尻が熱くなるなどの自覚症状がある場合と
自覚症状がまったくない場合があります。
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ガス漏れの原因
■過敏性腸症候群(IBS)のガス型
過敏性腸症候群(IBS)のガス型とは、IBSの中でも特にお腹にガスが溜まる症状のことです。
ストレスや食事、生活環境などの様々の要因により、腸内環境が悪化して腸内でガスが発生してしまいます。
また、口呼吸、噛みしめ呑気症などにより空気を飲み込む癖がある人もガスが溜まってしまいます。
体に溜まったガスはオナラとして体外に排出されます。
ガスが多量に溜まっていると、常にオナラが排出される状態になります。
■肛門括約筋不全
肛門括約筋とは、排便時に肛門を広げたり縮めたりする筋肉です。
肛門括約筋は内肛門括約筋と外肛門括約筋があります。
内肛門括約筋は不随意筋で、自らの意思では動かすことはできず、常に締まっている状態です。
外肛門括約筋は随意筋で、自らの意思で動かすことができ、排泄時に動かします。
これら肛門括約筋の動きが低下することにより、ガス漏れ、便漏れが起きます。
肛門括約筋不全の原因としては、加齢や腸、肛門近辺の手術、女性の場合は出産が影響する場合があります。
また、精神的なストレス疾患、自律神経の乱れにより肛門筋が正常に機能しなくなることがあります。
ガス漏れの対策
■過敏性腸症候群のガス型の治療
最近、過敏性腸症候群の治療として、遅延アレルギー検査(IgG検査)による食事制限が注目されています。
一般的な即時型のアレルギーでは、食べてすぐに痒みやじんましんなどの症状が発生します。
しかし、遅延アレルギーでは、食べてから数時間、または数日後に緩やかに発生します。
遅延アレルギーに該当する食べものを頻繁に食べている場合は、内臓が慢性的な炎症状態になっており、
過敏性腸症候群を始めとして体に様々な影響を及ぼします。
遅延アレルギーは、同じものを頻繁に食べている場合に起こりやすくなります。
好きな食べ物、または健康の為に毎日食べているものに遅延アレルギー反応が出る場合が多いです。
よく見られる例としては、健康のために毎日ヨーグルトを食べる人が多いですが、
乳製品が遅延アレルギーとなってしまっている場合があります。
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IgG 96 スタンダード・フード・パネル[日本]
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遅延アレルギーの検査はアメリカのアンブロシア社の検査キットを利用して血液を採取し、検体をアメリカに送る必要があります。
日本の病院でも遅延アレルギー検査を行える場所がありますが、どの病院でも基本的にこのキットを利用します。
検査キットで採取した被験者の血液にてIgG抗体値を調べることで、様々な食物に対する遅延アレルギーのレベルがわります。
レベルが高かった食べものを約6ヶ月絶つことでレベルを下げることができます。
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遅延アレルギー検査は、即時型のアレルギー検査と違い保険が適用されません。
そのため、検査は高額になります。しかし、過敏性腸症候群の症状がある場合は一度検査することをお勧めします。
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■消臭パンツ
消臭パンツを履くことで、ガスが漏れた場合でも臭いを抑えることができます。
また、消臭パンツを履くことで精神的にも安心することでガスの発生を抑えることができるようです。
■肛門括約筋のトレーニング
肛門括約筋を鍛えるトレーニングをすることで、肛門がゆるくなることを防ぎます。
[肛門括約筋のトレーニング]
- 肛門を素早くキュッ、キュッっとしめる運動を数回繰り返す。
- 肛門を十数秒間ギュッと締め付けたままにする運動を数回繰り返す。
- 相撲の蹲踞(そんきょ)の姿勢を十数秒間維持する(蹲踞の姿勢は相撲の開始時の、膝を折りたてて腰を落としてしゃがんだ状態です)。
また、実際に肛門括約筋が正常な状態かどうかは、肛門科にて検査を行うことをお勧めします。
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