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ここでは、口臭、鼻臭の治療によく用いられる漢方薬を紹介します。
口臭の漢方薬としては、胃熱・異湿熱を抑える漢方薬がよく用いられます。
胃に炎症や熱を持っていると、舌苔が黄色くなっており、口臭が発生しやすくなります。
胃熱・胃湿熱は、暴飲暴食などの食生活の乱れやストレスなどが原因になることが多いです。
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防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
解熱、消炎作用により胃の熱を冷まします。また、瀉下作用により腸内の熱を冷まし毒素を排出します。
肥満症で便秘がちな人によく用いられ、発汗・利尿・便通作用等により
「高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘」、「肥満体質」等を改善します。
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[効能・効果]
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満
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麦門冬湯(ばくもんどうとう)
ドライマウスにも用いられ、唾液の分泌促進、口内を潤すことが期待できます。
「痰の切れにくい咳」、「からぜき」、「気管支炎」、「気管支ぜんそく」等に用いられています。
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[効能・効果]
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:
からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声
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半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胃弱な人に見られる、内臓からくる口臭に利用されます。
みぞおちのあたりのつかえ感や、はきけ、食欲低下、下痢等の症状がある場合の「急・慢性胃腸炎」、「下痢」、「胃下垂」、「神経性胃炎」等に用いられています。
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[効能・効果]
体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:
急・慢性胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症 |
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黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
解熱、消炎作用により胃の熱を冷まします。
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色が赤っぽく、いらいらする傾向がある方の「胃炎」、「二日酔」、「不眠症」、「神経症」等に用いられています。
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[効能・効果]
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:
鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症注)、めまい、動悸、 更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
注)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。 |
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六君子湯(りっくんしとう)
胃弱な人に見られる、内臓からくる口臭に利用されます。
胃腸が弱く、食欲がなく、疲れやすく、貧血性で日常手足が冷える方の「胃炎」、「胃腸虚弱」、「胃下垂」、「食欲不振」、「胃痛」等に用いられています。
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[効能・効果]
体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:
胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐 |
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荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
「蓄膿症」、「慢性鼻炎」、「慢性扁桃炎」、「にきび」に用いられています。
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[効能・効果]
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:
蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび |
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五苓散(ごれいさん)
のどの渇きがあり、尿量が少なく、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う「水様性下痢」、「暑気あたり」等に用いられています。
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[効能・効果]
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:
水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔
注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。 |
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